渚沙 「やっぱここは涼しくて過ごしやすいわねぇ」
涼太 「そ、そうだな……」
告白するなら、やっぱり雰囲気のいい夕方とかがいいのか……?
い、いや……自分でも早く伝えるべきだって考えてたじゃないか。
ちょっとでもチャンスがあったら、迷わず行こう。
よ、よし……。
渚沙 「夏真っ盛りなのに誰もいないし、やっぱり穴場ね~」
渚沙の水着姿が目に眩しい。
……こんなに可愛い女の子のことを、つい最近まで意識していなかったなんて、嘘みたいだ。
渚沙 「ん? なによリョータ、ジロジロ見たりして」
涼太 「べ、別にジロジロなんて見てないぞ?」
渚沙 「ウソ。見てたでしょ、今」
渚沙 「あ、わかった。あたしの水着姿に見惚れてたんでしょ?」
涼太 「見惚れてたっていうか……」
涼太 「……まあ、その通りなんだけど」
渚沙 「へ!?」
渚沙 「そ、その通りって、な、なにが?」
涼太 「だから、見惚れてたんだ。渚沙の水着姿に」
渚沙 「バ、バカ……」
渚沙は急にモジモジして恥ずかしそうにし始める。
表情と仕草のせいで色気が5割増しくらいになって、大変なことになっていた。
渚沙 「こ、この間だって見たばっかりだし、だいたいあたしの水着なんて飽きるほど見てるでしょ……?」
涼太 「過去の俺は、ちゃんと渚沙のこと見れてなかったんだなって、ちょっと反省してた」
涼太 「凄く可愛いぞ。水着も似合ってる」
渚沙 「――――っ」
渚沙の顔が、一瞬でトマトみたいに真っ赤になった。
渚沙 「バカッ! バカッ!! もう! 本当になんなの!?」
渚沙 「もう本当にバカなんじゃない!? 頭どうかしちゃってるわよ!?」
渚沙 「もう! 本当に! ……バカなんだから。バーカ……」
涼太 「うん、まあ、ほら。俺……バカだからさ」
渚沙 「……ごめん。違うの、本当はそんなことが言いたかったんじゃないの」
涼太 「大丈夫、わかってる。そもそも、間違えようがないから」
ポロっと漏れた言葉に彼女がこれだけ喜んでくれるなら、彼氏としては本望としか言いようがない。
渚沙 「……うぅ。なんで今日はそんなに優しいのよ」
涼太 「え」
普通にしていたつもりだったのだが、なにか不自然だっただろうか?
渚沙 「あ、わかった。なにか企んでいるのね……?」
涼太 「……え゛」
まさか、俺が告白しようとしているのがバレた!?
いや、そんなはずはない。はずだ……。きっと。たぶん……。
渚沙 「なるほど~。つまり、下心があったってことね~」
涼太 「し、下心……?」
告白は……告白は下心に入りますか!?
渚沙 『そ、その……』
渚沙 『あ、あたしのカラダが忘れられなくなっちゃったんでしょ!?』
涼太 「ぶっ!?」
しかし、渚沙の推察は完全に明後日の方向にぶっ飛んでいた。
というか、なにとんでもない勘違いしてんだこいつ!?
渚沙 「リョ、リョータったら本当にいやらしいんだから……」
渚沙 「あたしのことを喜ばせてその気にさせようなんて、そんな見え見えの手を使って……」
涼太 「いやいやいやいやいや……」
マジでその気ではなかったんですが、なんだか妙な方向へ話が進んでしまっているぞ?
渚沙 『そ、そんなまわりくどいことしなくたって、リョータがしたいって言えば、いつでもしてあげるのに……』
涼太 「え……」
本当に、妙な方向に話が転がって、完全に帰ってこれなくなってしまっていた。
涼太 「いや、あの、渚沙さん……?」
思わず敬語になる。
渚沙 「な、なによ……」
頬が上気した渚沙の表情。
もしかすると、ちょっとエッチな気分になっているのかもしれない。
涼太 「い、いや、その……」
好きな子のそんな表情を見せられて、俺の下半身も急激にうずき始めてしまう。
渚沙 『リョータがどうしても、って言うなら……』
渚沙 『い、いいよ?』
涼太 「うっ……」
い、いやっ、待てっ。昨日の話を盗み聞きしておいて、それを謝りもせずに渚沙とそういうことをするのは、ちょっと違くないか?
涼太 「そのっ、だな……渚沙とは、その、そういうこと、もっとしたい気持ちはあるんだけど……」
渚沙 「ほ、ほんと……!?」
想像以上に嬉しそうな顔をする渚沙。
うぅ……めっちゃ可愛い……。
涼太 「た、ただ……そういうこと、する前に、ちょっと真面目な話をしておきたいんだよ、俺」
渚沙 「真面目な話……?」
瞳を潤ませながら、渚沙は小首を傾げる。
渚沙 『そ、それってさ……』
渚沙 『今、あたしと身体をくっつけることより、大事なこと……なの?』
渚沙はそんなことをささやきながら、ぴったりと熱くなった身体をすり寄せてきた。
涼太 「うぅ……そ、それは……」
この誘惑には抗いがたい……が、やはり、もしそういうことをするなら、話をしてからの方がいいに決まってる。
涼太 「いや、やっぱり渚沙……」
渚沙の誘惑を振り切って、決意の声を上げる。しかし……。
渚沙 『わ、わかった……。だったら、その……終わったら、真面目な話、聞くから……』
涼太 「え……?」
渚沙 『もう……言わせないでよ、バカ……。あ、あたしの方が、たまらなくなっちゃってるのっ』
渚沙 『リョータ、お願い……して?』
渚沙の媚びるような視線と声で、頭の奥の方にあったなにかの線が、プチンと切れた。
涼太 「……渚沙」
渚沙 「う、うん」
涼太 「俺も、どうしてもしたい。……渚沙がほしい」
渚沙 「あ。……うん。い、いいよ」
俺と渚沙は手を繋いで、フラフラと川の中へと進んでいった。
二人揃って、これ以上我慢できないほどに発情していたのだ。
(to be continued…)